はじめに：失った歯を取り戻す３つの選択肢
虫歯や歯周病、事故などによって歯を失ってしまった場合、その機能を回復するための主な治療法は以下の３つです。
・入れ歯（義歯）： 取り外し式の人工の歯。
・ブリッジ： 失った歯の両隣の歯を削って橋渡しをする固定式の人工の歯。
・インプラント： 顎の骨に人工の歯根を埋め込む固定式の人工の歯。
「どれを選べばいいのだろう？」と悩む方も多いでしょう。特にインプラントは、費用や手術への不安から選択肢から外してしまう方もいますが、実は噛む機能の回復度、周囲の歯への影響、そして長期的な視点でのQOL（生活の質）において、他の治療法とは一線を画す治療法です。
この記事では、インプラント治療の仕組みを解説しつつ、ブリッジや入れ歯と比べた場合の、決定的な違いとインプラントの優位性について、詳しく解説していきます。
インプラント治療の仕組みと「第二の永久歯」と呼ばれる理由
インプラント（Implant）とは、失った歯の根の代わりに、外科手術でチタン製の人工歯根（インプラント体）を顎の骨に埋め込む治療法です。
骨に固定される仕組み（オッセオインテグレーション）
インプラント体が、生体親和性の高いチタンでできているため、手術後の治癒期間を経て、顎の骨とインプラント体が分子レベルでしっかりと結合します。この現象をオッセオインテグレーション（骨結合）と呼びます。
この骨結合により、インプラントは天然の歯根と同様に骨に強固に固定されます。その上部に人工の歯（上部構造、主にセラミック）を装着することで、天然の歯とほぼ変わらない「噛む機能」と「安定性」を実現できるのです。
決定的な違い【その1】「噛む力」と「安定性」
インプラント、ブリッジ、入れ歯の最も大きな違いは、歯を支える土台にあります。
・インプラント：顎の骨に直結した人工の歯根（安定性が非常に高い）
・ブリッジ：両隣の歯を削り、土台にする（安定性は高いが両隣の歯に負担）
・入れ歯（義歯）：歯ぐきに被せるように設置（安定性は低い）
◆インプラントの優位性： インプラントは、天然歯と同じように骨で直接支えるため、強く噛んでもグラつかず、固いものでも難なく食べられます。
◆ブリッジ・入れ歯の限界： ブリッジは支えている両隣の歯、入れ歯は歯ぐきが主要な支えとなるため、強い力をかけると痛みが出たり、外れたりして、満足に噛めない食材が出てきます。
決定的な違い【その2】「残っている歯への影響」
歯を失った場合の治療は、失った部分だけでなく、残っている健康な歯をいかに守るかが、長期的な口腔内の健康を維持する上で非常に重要になります。
インプラント：健康な歯を一切犠牲にしない
インプラントは、失った部分に自立した「柱」を立てるため、両隣の健康な歯を一切削る必要がありません。また、バネをかけることもないため、周囲の歯に余計な負担やダメージを与えることがありません。残っている歯を守るという点において、インプラントは現時点で最も優れた治療法です。
ブリッジ：健康な歯を大きく削る処置。影響大
ブリッジは、失った歯の両隣にある歯を、被せ物をするために大きく削る必要があります。これは、健康な歯のエナメル質を大きく失う処置です。削られた歯は虫歯になりやすくなったり、将来的に歯の寿命が縮まったりするリスクを負うことになります。
入れ歯：残った歯に対してはそこまで大きな影響はない
入れ歯は、残っている歯に金属のバネ（クラスプ）をかけて固定します。特に大きな影響はありませんが、他の処置と比べ隙間ができやすい構造のため日々のお手入れを怠ると他の歯が虫歯や歯周病になることがあります。
決定的な違い【その３】「顎の骨」への影響
歯を失うことの最も大きな問題の一つが、顎の骨の吸収（痩せ細り）です。
歯を失うと噛むことによる顎への刺激が無くなり、その場所から顎の骨の吸収（痩せ細り）が始まります。
インプラント：骨の吸収を防ぎ、顔貌を維持する
インプラントは、噛む力がチタンの人工歯根を通じて直接骨に伝わるため、骨に適切な刺激を与え続けます。これにより、骨の代謝が促され、骨が痩せる（吸収する）のを防ぐ効果があります。結果として、骨が痩せることによる口元のシワの増加や顔貌の変形を防ぎ、若々しさを維持する助けになります。
ブリッジ・入れ歯：骨吸収を止めることができないる
ブリッジや入れ歯では、歯根からの直接的な刺激が骨に伝わらないため、失った歯の部分の骨は時間とともに痩せ細っていきます。
特に部分入れ歯や総入れ歯の場合、土台となる歯ぐきと骨が痩せていくため、数年ごとに入れ歯の作り直しや調整が必要になります。
インプラント治療は、確かに外科処置が必要であり、費用もかかりますが、そのメリットは「天然の歯を再現する」という点で他の治療法を遥かに凌駕します。
まとめ：歯を失った時こそ後悔しない選択のために
歯を失ったときの選択は、その後の人生の質を大きく左右します。
・残っている歯を一生守りたい方
・食事の制約をなくし、心から楽しみたい方
・自信を持って笑い、若々しさを保ちたい方
これらをご希望であれば、インプラント治療はあなたの希望にあった選択となるでしょう。
ご自身の口腔内の状態や、どの治療法が最適かについては、精密検査のもと、歯科医師とよく相談して決定することが大切です。
ALOHAごうだ歯科は岡山市南区でインプラント治療を実施しています。
また当院は保険診療も行っておりますので患者様の希望を丁寧にお伺いしながら最適な治療方法をご提案します。
抜歯した後の歯をどうするか・セカンドオピニオンも含めて悩んでいる方は是非当院へご相談ください。