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歯周病治療

歯周病について

歯周病は、歯垢や歯石の中の歯周病菌によって歯肉や歯の周囲の骨に炎症が引き起こされる病気です。初期症状は歯肉の腫れや出血ですが、進行すると歯の周囲の骨が破壊され、歯が揺れるようになります。痛みなどの自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行して歯が抜け落ちてしまうことも多く、日本人が歯を失う最大の原因といわれています。大切な歯を歯周病から守るためには定期的に検診を受け、歯周病の早期発見・早期治療に努めましょう。

歯周病がもつ3大リスク

歯周病菌が骨を溶かし、歯が抜けてしまいます

歯周病菌が骨を溶かし、歯が抜けてしまいます

歯周病は、細菌である「歯周病菌」が原因で発症します。歯の周囲に細菌の塊である歯垢や歯石が溜まって歯周病菌が増殖すると、歯周病菌が出す毒素によって歯肉に炎症が起きて「歯周ポケット」が形成されます。最初は歯肉の腫れや出血のみですが、症状が進行すると歯の周囲の骨が溶け始めます。放置すると歯がグラグラと揺れるようになり、最終的には抜け落ちてしまいます。

自覚症状が少なく、初期段階で気づくのが困難です

自覚症状が少なく、初期段階で気づくのが困難です
出展:8020推進財団第2回永久歯の抜歯原因調査(2018年)

歯を失う原因の第1位は歯周病です。
歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも表現されるほど、初期段階ではほとんど自覚症状がなく、自分で気づくのが難しい病気です。しかし、歯周病はゆっくりと着実に進行していくため、出血や痛み、歯の揺れといった明確な症状が現れるころには、すでに重度の歯周病になっていることがよくあります。歯肉の腫れや出血が気になった時点で早めに受診することが大切です。

自宅での歯磨きだけで治すことはできません

自宅での歯磨きだけで治すことはできません

歯周病になると、歯周ポケットとよばれるすき間が歯と歯肉の間に形成されます。このポケットの中に入り込んだ歯垢や歯石は、通常の歯磨きだけでは取り除くことはできません。歯周ポケット内に歯垢や歯石が溜まり続けると、症状は悪化する一方です。症状を改善するには、歯科医院で専用の器具を使用し、歯周ポケット内の歯垢や歯石を徹底的に取り除く必要があります。

歯周病は
全身疾患につながります

歯周病は全身疾患につながります

最近の研究によって、歯周病は全身の健康に重大な影響を及ぼすことが明らかになっています。歯周病が進行すると、歯周病菌や炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管に侵入し、以下のような全身疾患のリスクを増加させる可能性があります。お口の健康だけでなく全身の健康のためにも、歯肉の異常が気になったら早めに受診することが大切です。

糖尿病

糖尿病と歯周病は密接に関係しています。糖尿病になると免疫力が低下するため、歯周病になるリスクが高まります。逆に、歯周病になると炎症性物質が大量に作られ、血糖値をコントロールするホルモンの働きが鈍くなり、糖尿病を発症または悪化させることがわかっています。

認知症

最近の研究によれば、歯周病菌や炎症を引き起こす物質が歯肉の血管から侵入して脳に達すると、アルツハイマー型認知症の発症因子であるアミロイドβというタンパク質が増加し、認知症の発症や症状の悪化を促進することが明らかになっています。

動脈硬化・心臓疾患

歯周病菌が血管内に侵入すると、血管の壁に炎症が引き起こされ、粥状の脂肪性沈着物が蓄積されやすくもなります。これによって血液の通り道が狭くなり、動脈硬化が進行します。この動脈硬化が心臓の血管で起こると、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患のリスクを高める原因となります。

歯周病の治療方法

薬剤で細菌を取り除く、内科的治療方法

薬剤で細菌を取り除く、内科的治療方法

ALOHAごうだ歯科では、内科的治療方法(歯周内科)といって、薬を使用して歯周病菌を除菌する治療法をご提供しています。歯磨き指導や歯石の除去は基本的な歯周病治療ですが、これらだけでは歯肉の炎症が改善されない場合も少なくありません。通常、このような場合には外科的な治療が行なわれますが、すべての条件下で同じ方法が有効とは限らず、良い結果につながらない場合もあります。一方で、内科的治療方法では薬剤を服用するだけで歯周病のさまざまな症状の改善が期待できます。当院では、専門的な知識をもつ歯科衛生士が患者さんのお口の健康状態をチェックし、適切な治療をご提供しますので、安心してご相談ください。

治療内容

  • 位相差顕微鏡での歯の確認(無料)
  • 除菌薬の内服
  • カビの除菌薬での歯磨き
  • 歯石とり(保険適用)

歯周病の外科治療

歯周病の外科治療

歯周外科治療は、中度から重度の歯周病に対し、主に外科的手段で症状を改善させる治療法です。歯垢や歯石の除去、失われた歯周組織の再生、歯周ポケットの改善、そして歯磨きの効果を高めることなどを目的に行なわれます。歯肉の切開や歯肉の移植などさまざまな方法がありますが、患者さんのお口の状態を考慮して必要な治療を診断します。

一般的な歯周病の治療方法

  • 歯磨き指導

    歯磨き指導

    日々発生し続ける歯垢を歯磨きできちんと取り除くことができなければ、歯周病の進行をくい止めることはできません。歯磨き指導では、歯ブラシの選び方・持ち方・毛先の当て方・動かし方などをわかりやすくレクチャーします。

  • スケーリング/ルートプレーニング(歯石除去)

    スケーリング/
    ルート
    プレーニング(歯石除去)

    専用の器具を使用して歯垢や歯石を取り除く処置です。スケーリングでは歯の表面や歯肉の周囲の歯石や歯垢を取り除き、ルートプレーニングでは歯根表面の歯石や感染したセメント質をきれいに取り除きます。また、歯根表面を滑らかにすることで歯垢の再付着を防ぎます。

  • 抗生剤による内服治療

    抗生剤による内服治療

    抗生剤を内服することで歯周病菌の増殖を抑制し、歯肉の炎症を抑える効果や症状の進行を防ぐ効果が期待できます。歯肉の痛みや出血、化膿などの急性症状のある場合の対症療法として行なわれることもあります。

リスク・副作用

歯周内科治療にともなう一般的なリスク・副作用

・内服薬によって歯周病菌を減らす治療です。
・基本的には自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
・すでに重度の歯周病にかかっている方は、内科的な治療が手遅れになる場合があります。
・定期服用によって耐性ができ、徐々に薬が効かなくなる場合があります。
・ほかの薬を飲まれている場合、飲み合わせに配慮する必要があります。
・ごくまれに、薬による副作用を起こす場合があります。
・妊娠中の方や肝臓などの基礎疾患をお持ちの方は、服用できない場合があります。

歯周病治療/歯周組織再生治療/歯周外科治療にともなう一般的なリスク・副作用

・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
・治療に対して患者さんが協力的でない場合は、改善に時間がかかり、治療期間・回数が増えることがあります。
・歯周病の基本治療で改善しないときには、歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
・治療後歯肉が下がることがあります。
・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。

スケーリング/ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用

・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
・ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
・歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
・処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。