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「インプラント周囲炎」を防ぐ!放置すると抜けるって本当?

「インプラント周囲炎」を防ぐ!放置すると抜けるって本当?

インプラント治療を終えて「ようやく何でも噛めるようになった」と安心している方にこそ、絶対に知っておいていただきたい病気があります。それが「インプラント周囲炎」です。

「インプラントは人工物だからむし歯にならないし、もう安心」と思っていませんか? 確かにむし歯にはなりませんが、「歯周病(インプラント周囲炎)」の可能性はあり、天然の歯より悪化する速度が早いのが特徴です。

本記事では、インプラントを失う最大の原因であるインプラント周囲炎の正体と、それを防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。

 

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1.インプラント周囲炎とは?「放置すると抜ける」は本当か


結論から申し上げます。インプラント周囲炎を放置すると、せっかく埋め込んだインプラントは本当に抜けてしまいます。

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に付着した汚れ(プラーク)に含まれる細菌が原因で、周囲の歯茎や、インプラントを支えている「骨」に炎症が起きる病気です。

天然の歯でいう「歯周病」と同じですが、インプラントの場合、進行速度が天然歯の約10倍から20倍とも言われるほど非常に速いのが特徴です。最終的にはインプラントを支える骨が溶けてしまい、土台がグラグラになって脱落してしまいます。

2.なぜインプラントは炎症に「弱い」のか?


インプラントは、天然の歯とは構造的に異なる点があり、それが炎症への弱さにつながっています。

・「歯根膜(しこんまく)」がない:天然の歯には、歯と骨の間にクッションの役割をする「歯根膜」という膜があります。これには血液が流れており、白血球などの免疫細胞を送り込んで細菌と戦う機能がありますが、インプラントにはこれがありません。

・血液供給の少なさ:インプラントは骨と直接結合しているため、天然歯に比べて周囲の血流が少なく、細菌に対する抵抗力が極めて低いのです。

・自覚症状が出にくい:インプラントには神経がないため、炎症が起きても痛みを感じません。痛みが出たときには、すでに手遅れ(骨が大幅に溶けている)というケースが非常に多いのです。

3.インプラント周囲炎の「進行ステージ」とサイン


インプラント周囲炎は、いきなり骨が溶けるわけではありません。段階を追って進行します。

ステージ1:インプラント周囲粘膜炎


歯茎だけに炎症が起きている状態です。

サイン:歯磨きの時に出血する、歯茎が少し赤く腫れる。
状況:まだ骨には異常がありません。この段階で適切なケアを行えば、健康な状態に戻すことが可能です。

ステージ2:インプラント周囲炎


炎症が骨にまで達した状態です。

サイン:歯茎から膿が出る、嫌なニオイ(口臭)がする、インプラントがわずかに動く気がする。
状況: レントゲンを撮ると、インプラントを支える骨が吸収されて少なくなっています。一度溶けてしまった骨を元に戻すのは非常に困難です。

4.インプラント周囲炎を防ぐ「3つの鉄則」


インプラントを一生持たせるためには、日々のセルフケアとプロによる管理の「両輪」が不可欠です。

①セルフケア:歯ブラシだけでは不十分


インプラントの構造上、被せ物(上部構造)と歯茎の境目に汚れが溜まりやすくなっています。

フロス・歯間ブラシの必須化: 歯ブラシが届かない隙間を掃除します。インプラント専用のソフトな素材のものを選びましょう。
タフトブラシの活用: 毛先が一つになった小さなブラシで、インプラントの根元を1本ずつ丁寧に磨きます。

②定期メンテナンス:プロのチェックを受ける


歯科医院での定期検診は、単なる掃除ではありません。

噛み合わせの調整:インプラントは横方向からの力に弱いため、噛み合わせがズレて過度な負荷がかかると、そこから炎症が起きやすくなります。

専門器具による洗浄:普段の掃除では落とせないバイオフィルム(細菌の膜)を、インプラントを傷つけない特殊な器具で除去します。

③生活習慣の改善:最大の敵は「喫煙」


タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎の血流を悪化させます。喫煙者のインプラント周囲炎発症率は、非喫煙者の数倍高いというデータもあります。長く持たせたいのであれば、禁煙または減煙が強く推奨されます。

5.もし「インプラント周囲炎」になってしまったら?


万が一発症してしまった場合、以下のような治療が行われます。

非外科的治療: 抗生剤の注入や、レーザーによる殺菌を行い、炎症を鎮めます。
外科的治療: 歯茎を切開してインプラントの表面を直接洗浄し、汚染された部分を削り取ります。
撤去: 保存が不可能と判断された場合、インプラントを抜去します。骨の状態が良ければ、数ヶ月後に再手術ができることもあります。

6.まとめ:インプラントは「入れてから」がスタート


インプラントは素晴らしい治療法ですが、魔法の杖ではありません。「自分の歯以上に手入れが必要な、精密機器」だと考えてください。

「痛くないから大丈夫」と過信せず、毎日の丁寧なケアと3ヶ月〜半年に一度の定期メンテナンスを継続すること。それが、インプラントという第2の永久歯を守り、一生美味しく食事を楽しむための唯一の近道です。

最近、インプラントにした歯に違和感があったり、定期検診を怠ってはいませんか?少しでも違和感があれば、早めに主治医に相談しましょう。

 

ALOHAごうだ歯科は岡山市南区でインプラント治療を実施しています。

患者様の希望を丁寧にお伺いしながら最適な治療方法をご提案します。

抜歯した後の歯をどうするか・セカンドオピニオンも含めて悩んでいる方は是非当院へご相談ください。

 

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